30年ぶりの大会出場

ここ土佐清水には、「 土佐清水波乗り組合」という チームがあって、 先輩たちから 受け継ぐ、土佐清水の波乗り選手権、 と言う40年以上続けている歴史ある大会がある。

たった50人〜60人位の地元サーファーの中から、 この大会をきっかけとして、全日本優勝者が3人、プロサーファーが5人生まれている。

僕がプロサーファーになってからは、 アマチュア の大会であるこの大会には選手としては参加せず、約30年間 運営やジャッジとして この大会に参加させてもらってきました。

今年も、毎年やってきたように当たり前に大会の準備をし、そろそろ大会をスタートしようとしたその時に、

「 あれっ、 スペシャルクラスにちょうど2つ枠が余っちょうね!みつやん(僕)と西田 (西田プロ) 出たら面白いやん!」

えっ!?

 何気ない 仲間の一言で、その話が盛り上がり、 何の準備もなく、いきなり大会に出ることになってしまった。

気持ちの整理がつかないまま、急いでボードを お店に取りに行き、ワックスを塗り、 その15分後に試合が始まってしまう。

レッスンで毎日海には入っているが、思うように練習時間が取れないここ数年の自分のサーフィン。 人前でしかもプロとしてサーフィンを見せるには不十分な状態。

顔では平常心を装いながらも(笑)心の中は不安とプレッシャーと、 心の奥にあるほんの少しのワクワクが交差し、 よくわからない心の状態の中で、試合が近づいてくる。

少ない時間で、素早くコアチューニングを 終わらせると、気持ちも体も緩み、ようやく平常心が戻ってきた(笑)

そして30年ぶりに この大会でのゼッケンをつけると、不思議と力がみなぎってくる。

 

試合でかっこつけて流し、スタイルを見せるとか、逃げるようなサーフィンする姿を、絶対に若い世代に見せてはいけない。

とにかくかっこ悪くても、 息を切らせても、必死にパドルし、カッコつけずに、来た波に対し今できる自分の 精一杯を出す姿勢だけは見せよう。

 

試合がスタートする!

あれ!? 意外と行ける。 体がしんどくないし、体もそこそこ動く。

毎日の コアチューニングの効果を 試合中に感じる。 緊張の中でそれなりに身体が緩み動きは悪くない。ベストではない自分の状態の中のベストが出せている!

そして予選を勝ち抜き決勝へ進むことができた。

今回の試合で、40年前に一緒にこの大会に初めて出たかっちゃん、30歳の年の差のある勢いのある若手たち、いつもの仲間、そしてかつてのライバルと試合ができたことが、ほんとに楽しかった。

何よりも僕らが試合に出たことで、盛り上がり、みんなに喜んでもらえたことが何よりも本当によかった。

 

結果はまさかの優勝(笑)

もう逃げられない立場になってしまったので、来年はしっかり練習しないとなぁ、、

あともう少しだけでも若手の壁になって行けるようまた1年精進します!

 

選手の皆さん、運営に関わってくれた皆さん、協賛いただいた方々、ありがとうございました!お疲れ様でした!!