オヤジたちの修学旅行 その5 楽しむ

 

楽しむ

 

この旅では「仲間と一緒にサーフィンを楽しむ」ことが僕にとってのテーマだ。

波に乗ることを楽しむ。仲間とのサーフィンを楽しむ。

ただそれだけでは満たされることない自分自身の欲求も知っている。

 

緩やかに波に乗る。みんなと波を共有する。

それはそれで楽しいが、ただそれだけでは体が動きモチベーションもある自分自身には十分には満たされないのだ。

 

「楽しむ」ってなんなのか?

 

それはみんなのサーフィンを見ていると良くわかる。特に楽しいと感じているのは、「できなかったことができるようになっていく瞬間」なのではないかと思う。そしてその新たな感覚を得られた時「楽しさ」を感じるんだと思う。

それぞれのレベルの中での「それぞれのトライ」があって失敗があり成功がある。そのトライによって掴みかけた、あるいは掴んだ成功でより大きな「楽しい」が生まれる。

トライできるエネルギーとモチベーションがあるうちは「トライ」すべきなのではないかと思う。ゆっくりのんびり楽しむのはいずれもっと年を取り衰えそれを失っていった時でもできるからだ。

ただ無理なトライは禁物だ。いま必要な事を良いタイミングで的確にトライできたとしたら、よりイージーにマスターでき、「楽しさ」は増す。レッスンでいつも心がけている事だ。

今回のメンバーでその「楽しさ」を共有した。

というのも、それぞれに新たな挑戦をし、そのそれぞれの挑戦の成功と失敗を共有し、喜び、笑い合えた。

Mっさんは初めて加速する感覚を得て、N兄は動きの自由度が広がった。Mやんはこれまででは考えられない波を滑り、KAZはチューブをメイクした。

そこにトライしていくとき、そして成功させたとき、それぞれに最高の「楽しい」が生まれ、最高の笑顔になった。

普段のレッスンと同じような光景!! 僕も楽しくなり、そしてみんなからたくさんの刺激をもらった。

 

ただ僕は、たった1本のワイプアウトから、どうしても逃れられないトライが始まってしまっていた。